年金受給額が足りない時の対処法として『繰り下げ受給』があります。
1か月遅らせるごとに0.7%ずつ増額され、最大10年間(120ヵ月)遅らせる事が出来れば84%上乗せされます。
しかし元を取るのに何年もかかり、その間に亡くなってしまうと損をするので何歳まで繰り下げるべきか悩んでしまいます。
ある条件を満たすことが出来れば75歳まで繰り下げたほうが良いという結論に至ったので徹底解説していきます。
自己紹介
私は正社員ではなくアルバイト生活を送っています。
低収入・ノーボーナスでも計画性を立てれば資産は築くことが出来、現在資産は850万を超えました。
2016年から始めた資産運用により資産を拡大しつつ老後への備えをしっかりやっています。
私の知識や経験が少しでも役に立てればと思いこのブログを開設しました。
繰り下げ受給について
年金の受け取り開始年齢は原則65歳からとなっています。
しかし65歳よりも受け取る年齢を遅らせることによって年金受給額を増やすことが可能です。
これを繰り下げ受給と言い、1か月遅らせるごとに0.7%増額されて最大75歳まで(120ヵ月)繰り下げる事が可能となっています。そうすると〚120ヵ月×0.7%=84%〛が増額されます。
ちなみに65歳よりも前に年金を貰うことも出来ます。これを繰り上げ受給と言い、1か月早く受け取るごとに0.5%減額され、最大5年間(60ヵ月)で30%の減額がされます。
元が取れるのは12年
通常65歳から年金を受け取るのに対して、繰り下げ受給を選択した場合に年金を受け取らない空白の期間が生まれます。
そして繰り下げによって受給額が増えて、貰い始めてから元が取れるまでに12年間を要します。
これは何年繰り下げていようが共通で〚元を取るのは12年掛かる〛と覚えておきましょう。
つまり75歳まで繰り下げをした場合、65歳から受け取った人との損益分岐点は87歳となります。
88歳以降は差がどんどん開いて行き、得をするというわけです。
ある条件とは?
条件は2つです。
- 75歳まで年金を受け取らなくても生活が成り立つ
- 受給額が84%増えれば年金だけで生活が成り立つ
この2つの条件を満たす人は75歳まで繰り下げをしたほうが良いでしょう。
75歳まで年金を受け取らなくても生活が成り立つ
この条件を満たすためには、65歳~75歳までの10年間の生活費を用意しているかです。
仮に毎月18万円の生活費が掛かる場合、1年で216万円。10年で2160万円が必要となります。
あなたが老後どのような生活を送るかによって用意する金額は大きく変わってくるでしょう。
受給額が84%増えれば年金だけで生活が成り立つ
この条件を満たすには、65歳時点(100%)では生活が成り立たないけれど、75歳時点(184%)での年金受給額では生活が成り立つ人を指します。
仮に毎月18万円の生活費が掛かる場合、65歳時には厚生年金の平均である14万円だと毎月4万円の赤字となってしまうので生活が成り立ちません。
しかし75歳で受給を開始すれば14万円→25万7600円となるので、毎月7万7600円の黒字となり生活が成り立ちます。
注意点
注意点として、このシミュレーションに関しては2022年の年金額を使用しています。未来の年金額に関しては恐らく減少傾向となるので、あなたが老後を迎えるタイミングで詳しくシミュレーションする必要があります。
まとめ
上記2つの条件を満たす事が出来る人は75歳まで繰り下げ受給を選択した方が良いでしょう。
仮に元が取れる87歳までの間に亡くなってしまっても『お金で苦労することなく人生を謳歌できた』と喜ぶことが重要です。
もちろん損をした!という気持ちになるのは分かるのですが、87歳以降も生き続ける可能性も十分あるので、そちらのメリットを取ったほうが良いでしょう。
条件に当てはまらない人はどうするべきか?
では、条件を満たすことが出来ない人はどうすればいいのか?
- 65歳~75歳までの生活費の蓄えが無い
- 75歳まで繰り下げ受給しても生活が成り立たない(国民年金のみなど)
こういった人は色々なパターンが存在します。
例えば国民年金のみの場合、自営業の人は65歳以降も変わらず稼ぐことが出来るのなら75歳まで繰り下げするのも選択肢の一つです。
65歳で定年を迎え、貯金も少なく年金だけで生活も成り立たない人は65歳から受給を開始した方が良いでしょう。
年金を受け取りつつ、65歳から新たな仕事を見つけて少しでも収入をアップして毎月少しずつでも蓄えを作っていくのが正解でしょう。
一番重要なのは、どの選択をすれば生活が”安定”するかを考える事です。
65歳からの長い人生をなるべく不安なく生活していきましょう。
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