- つみたてNISAの売り時が分からない
- 適切な売り方はあるのか?
- おすすめの売り方とは?
つみたてNISAの制度が始まってまだ4年ほどしか経っていませんが、やはり20年後の出口戦略は知っておきたいですよね?
売り方を知ってから、つみたてNISAを始めようと考えている方も居るかもしれませんので少しでも参考になれば幸いです。
私は2016年から特定口座で投資信託を買い、2019年からつみたてNISA口座を使い投資信託を買い始めました。
現在200万円ほど運用していて利益は35万を超えました。
今までの経験から少しでも役に立つ情報を発信できればいいと思っています。
つみたてNISAの売り時

つみたてNISAは基本的には20年間という長い期間、コツコツと資金を積み立てて行く投資戦略です。
しかし誰しもが20年という長い期間投資できるとは限りません。
色々な家庭事情も含め、つみたてNISAの売り時は大きく分けて3つあります。
- つみたて期間の途中で売る
- 20年経ったら売る
- 売らずに運用を続ける
この3つについて解説していこうと思います。
つみたて期間の途中で売る
「投資をしよう!」と決意しても今までやってこなかった人が20年という長期間続けるのは非常に難しい事だと思います。
人生には思わぬ誤算が突然起こることもあります。
例えばコロナウイルスで生活環境が一変することもあります。
投資をしている場合ではない状況が訪れたら迷わず売り払ってしまいましょう。
現金があれば人生やり直せます。
また、つみたてNISAを始めてみたけど価格変動により恐怖が芽生え、投資は自分には合わないと思う方も居るでしょう。
そういった方も無理せずに売り払ってしまうのもアリです。
多少の損失が出ているかもしれませんが『損切り』という考えで、最小限の損失で恐怖やストレスから解放されたほうがいい時もあります。
あくまで私の意見としては『長期保有・分散・積立投資』をして将来の為の資産形成をしたほうが良いという考えですが、人それぞれ考えることはありますからね。
- 投資が合わなかったら1か月で売り払ってもいい
- 生活を脅かす緊急事態時には迷わず売ってしまってもいい
- 非常時に必要な分だけ売るのも方法の一つ
生活に支障の出ない無理のない中での投資を心掛ければ気持ち的にも続けることは出来ると思います。
また生活防衛資金を貯めておけば緊急時にも投資商品を売らずに切り抜けることも出来るかもしれません。
投資を始める前の環境作りが意外と大事だったりします。
20年経ったら売る
20年間運用を続けて売ると考えている方は意外と多いのではないでしょうか?
つみたてNISAは20年間の運用利益は非課税となり、20年経てば売るというのが効率的と考えるのが普通です。
満額投資をしていれば20年間で元本が800万となり、そこに利益が恐らくですが乗っかり1000万を超えている状況も普通にあり得ます。
つみたてNISAを始めた年齢にもよりますが例えば25歳から始めると45歳時点で1000万が手元に入ってきます。
普通に嬉しいですよね。
1000万あればある程度の夢は叶えられる状況だと思います。
- ブランド品を買う
- 高級車を買う
- 自宅のローン支払いに使う
こういった欲望にも使えますね。
しかし冷静になることも大事です。
20年という長い期間コツコツと貯めてきたお金の使い道がこれでいいのか?
上記の欲望をかなえるために貯めてきたというのなら反対はしませんが多くの方は将来への不安から投資という選択をするはずです。
仮にですが20年後に1000万あったなら利回り5%で運用できた場合
1000万あれば毎年50万の利益が生まれます。
1000万を使ってしまえばその分だけ利益は無くなっていきます。
また1から始めると年間40万円となり、その年の利益は2万円です。
年間利益50万円を取るか2万円を取るか、普通に考えれば前者の50万円を選択するはずです。
つみたてNISAの終わり時の自分の年齢にもよりますが運用は続けたほうが利口です。
売らずに運用を続ける
つみたて期間の20年が終了しても運用を続けることは可能です。
運用を続けようとする場合、つみたてNISA口座から特定口座に自動的に移管されます。
分かりやすく説明します。
つみたてNISA口座と特定口座の違いについて
〚つみたてNISA口座の場合〛
20年間は非課税
投資元本800万円→20年後1000万円になった場合、利益は200万円です。
この200万円に税金は掛からず売却時には1000万円が丸々貰えます。
〚特定口座の場合〛
課税口座なので利益に対して約20%の税金がかかります。
投資元本800万→20年後1000万になった場合、利益は200万円です。
利益200万円に税金の約20%が徴収され800万+160万=960万円が貰えます。
〚特定口座に移管された場合〛
つみたてNISA時に得た利益はそのままの状態になります。簡単に説明すると投資元本が変わるということです。
20年後1000万になれば
投資元本1000万となり、それ以降の利益に対して約20%の税金がかかるということです。
例えばつみたてNISA終了から5年後
投資元本1000万→5年後1100万円になった場合、利益は100万円です。
100万にのみ税金がかかり1000万+80万=1080万円となります。
これが移管のシステムです。
一見デメリットは無いように思えますが、そんなことはありません。
それは20年後に利益が出ていなかった時にデメリットが存在します。
つみたてNISA終了時
投資元本800万円→20年後500万になったとしましょう。
この状態で移管すると投資元本が500万円となってしまいます。
つみたてNISA終了の5年後に元の800万に戻るとします。
すると
投資元本500万→5年後800万になった場合、利益は300万となります。
利益300万円に税金がかかり、500万+240万=740万となります。
このように800万円に戻ったとしても利益とみなされ税金が取られてしまいます。
これが唯一のデメリットでしょう。
では20年後に利益が出ていなかった場合は移管をしないほうが良いのか?と聞かれれば、そうとも言えません。
20年後に投資元本を割るような状況はリーマンショック以上の暴落ということになります。
そういった場面では株価は安いということですからドルコスト平均法を駆使して大量に数量を手にするチャンスです。
数量を多く手に入れておけば数年後には大きな力となって資産を膨らませる可能性を秘めています。
仮に税金20%が取られようともチャンスは逃さないほうが良いでしょう。
20年後利益が出ないことはほぼ無いと言えるシミュレーションをしたことがあります。
見たことが無い方は是非ご覧ください。
最強の出口戦略

これまで色々と売り時の説明をしてきましたが、実は投資信託の出口戦略において確立されている売却方法が存在します。
それは『4%ルール』という方法になります。
4%ルールとは毎年投資信託の評価額に対して4%だけ売っていく方法です。
例えば定年退職を迎え年金だけでは生活できない時に今まで積み立ててきた投資信託が2000万円あったとしましょう。
2000万円の4%は80万円になります。
これを12か月で割ると6万6666円となります。
毎月年金+6万6666円が手に入れば生活は成り立ちます。
更に凄いのはここからです!!
2000万円から80万円を引くと1920万円になります。
投資信託の平均利回りは5~7%と言われており仮に5%で運用できた場合
1920万円を5%で運用すると96万円プラスとなり合計2016万円になります。
毎月6万6666円手に入れつつ、2000万円が2016万円に増える仕組みが出来上がります。
毎年の資産を増やしつつ生活資金も確保する、これが『4%ルール』の全容となります。
※注意点※
あくまで机上の空論であり、必ずこうなるという事ではありません。
株価が暴落してしまえば2000万あったところが1000万になることもあり、その4%では年間40万円しか確保することは出来ません。
しかし長期目線で見ていけば評価額に対して4%ずつ売っていくのは有効な手段です。
自分に必要な金額を計算しておこう

4%ルールは有効な手段です。
これをもとに自分は老後にどれだけ必要なのか計算しましょう。
年金と言っても国民年金と厚生年金では貰える金額は異なります。
また将来どのような生活を送りたいか考える必要もあります。
年金以外に毎月10万円欲しいなら年間120万円となり資産は3000万円となります。
毎月15万円欲しいなら年間180万円となり資産は4500万必要です。
こういった必要な金額を予め算出しておき、その逆算で毎月いくら投資すればいいのかを考える必要があります。
自分の年齢と照らし合わせて4500万円必要なら
- 40年間・5%利回り=毎月29488円
- 30年間・5%利回り=毎月54070円
- 20年間・5%利回り=毎月109480円
毎月5万10万を投資資金に出来ないなら諦めて3000万円を目標とします。
自分の年齢と照らし合わせて3000万必要なら
- 40年間・5%利回り=毎月19659円
- 30年間・5%利回り=毎月36046円
- 20年間・5%利回り=毎月72987円
このように未来を予測して投資をする事でモチベーション向上にも繋がります。
40年間と20年間では毎月の積立金額に大きな差が生まれます。
なるべく早い時期から投資を始めるのが如何に重要かも理解できたのではないでしょうか。
まとめ

つみたてNISAの売り時については明確な正解はありません。
ご自身の置かれている環境に応じて判断しましょう。
投資の目的が老後に向けたものであれば定年ぎりぎりまでは続けたいところです。
積立金額が膨れればそれだけ利回りに対しての効果も大きくなるからです。
積み立てた金額を死ぬまでに使い切ろうと考える方も居ますがオススメしません。
いつ死ぬか分からない状況でどんどんお金を使えば恐怖が襲ってきます。
『死んだときにお金の不安が無く生活出来て幸せだった』
この気持ちを忘れないようにしましょう。
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