2024年1月から開始される新NISA!恒久化によってメリットが増えて資産形成が捗りそうですが、実際には危険な罠が潜んでいます。
正しく理解し運用しなくては罠に引っ掛かって資産運用が失敗に終わる可能性もあるので注意しましょう。
自己紹介
私は正社員ではなくアルバイト生活を送っています。
低収入・ノーボーナスでも計画性を立てれば資産は築くことが出来、現在資産は850万を超えました。
2016年から始めた資産運用により資産を拡大しつつ老後への備えをしっかりやっています。
私の知識や経験が少しでも役に立てればと思いこのブログを開設しました。
新NISAの概要
つみたて枠 | 新成長投資枠 | |
非課税投資枠 | 年120万円 | 年240万円 |
最大投資可能額 | 最大600万円 | 最大1200万円 |
非課税投資期間 | 最大600万円に到達するまで | 最大1200万円に到達するまで |
投資商品 | 投資信託・ETF | 上場株式・投資信託・ETF |
投資可能期間 | 無期限 | 無期限 |
今までは『一般NISA』と『つみたてNISA』2つの内どちらかを選択しなければいけなかったですが、新しいNISAは一本化して中身で2つに分類する仕組みとするようです。
どちらの枠も使用することが出来、最大で1800万円まで非課税枠が用意されます。早ければ5年で枠を使い切ることが出来ますが、普通の生活を送る人にとっては使い切るのに10年以上は掛かるでしょう。
危険な罠5選
新NISAは良い事ばかりに注目されがちですが、大胆な税制優遇によって陥ってしまう罠に気を付けましょう。
考えられる罠を5つ紹介します!
投資枠を使い切りたい
新NISAになって一番感じる変化としては『投資可能額の拡充』でしょう。
つみたて枠120万円、新成長投資枠240万、年間で360万円も投資可能枠が使えます。
人間の心理として枠があれば使わないと勿体ないと考えてしまいます。例えば今までつみたてNISAの上限毎月3万3333円しか投資していなかった人が、『毎月10万円を無理して投資に回して、つみたて枠だけでも使い切る!』と張り切りと罠に引っ掛かるかもしれません。
無理をして生活費をも投資に回してしまい普段の生活が苦しくなる可能性があります。
【投資は余剰資金で】
この言葉を大事にして、無理のない範囲で投資と普段の生活をバランスよく行いましょう。
急いで投資枠を使い切る必要はありません。
投資可能額の復活
新NISAでは、1800万円の投資枠は保有している投資商品を売却すると復活します。
つまり”非課税枠の再利用が可能”ということです。
例えば2024年にA社の株を100万円分購入しました。(残りの投資枠は1800万円→1700万円に減少)
その1年後にA社の株が150万円まで値上がりしたので売却しました。(残りの投資枠は1700万円→1800万円に復活)この時の利益50万円は非課税なので50万円が丸々儲けとなります。
※ちなみに1800万円の投資枠については、『取得価格ベース』で管理されます。100万円で買ったのもがいくら値上がりしても関係ありません。
投資商品を売却すると復活するのはありがたい事ですが、一つ罠があります!
『年間投資上限360万円』です。
例えば2024年1月に上限いっぱいの360万円投資商品を購入したとしましょう。
半年後の2024年6月に投資商品を100万円分売却したとします。
非課税投資枠は100万円分復活するはずですが、『年間投資上限360万円』は1月時点で既に終了している為、復活するはずだった100万円分は翌年に繰り越されてしまいます。
これは毎日トレードで利益を出す人へ向けた対策となっています。
政府としては短期売買を繰り返すのではなく長期運用を主とした投資方法を提案しているわけです。
投資の基本は『長期・分散・積立』なので投資枠の復活はあくまでオマケ程度に考えておいた方が良いかもしれません。
新成長投資枠の使い道
今までつみたてNISA口座でしか投資をしてこなかった人は投資の選択肢は投資信託orETFのみでした。
そんな人が『新成長投資枠』と聞いてどう思いますか?しかも年間240万円も非課税枠があります。
なんとなくリスクを負って大きなリターンを得ようと考えて『個別株投資』に手を出してしまいがちです。
もちろん個別株投資を否定するわけではありません。大きなリスクがある代わりに大きなリターンも見込めるのは確かです。しかし今まで投資信託運用しかやってこなかった人にとっては、全く別のジャンルの投資に挑戦することになるので失敗しやすいのも事実だと思います。
新成長投資枠という言葉の罠に引っ掛からずに、投資信託のみを毎月買い続ける投資方法も正解だと認識しておきましょう。
損益通算・繰り越し控除が出来ない
NISA口座では損失を確定した時には『損益通算・繰り越し控除』といった税金対策は出来ません。
特定口座では、A社の株を買って50万円の利益が出て、B社の株を買って30万円の損失を出してしまったとします。
この場合、トータルの利益は〚50万円-30万円=20万円〛となり、20万円分に対して税金が課されます。
逆に30万円が利益で50万円が損失の場合、トータルではマイナス20万円となります。
この時に確定申告を行うと最長3年間損失を繰り越して控除することも出来ます。
これを損益通算・繰り越し控除と言います。
しかしNISA口座ではこの損益通算・繰り越し控除が出来ません。『利益が出た場合は非課税にしてあげているんだから、損失を出した場合は全て被ってもらう』というわけです。
新NISAでは、負けない(勝率の高い)投資をする事が重要なので、メインとなるのはやはりインデックス投資になりそうです。
税金が上がる可能性がある
新NISAは、年間360万(つみたて枠120万、成長投資枠240万)。最大で1800万円まで非課税投資枠があり非常に優遇された制度です。
これだけの大規模な投資減税優遇制度を作る反動として、今後様々な税金が上がる可能性があります。
- 法人税
- 金融所得税(現在約20%→30%になるかも)
- 消費税(10%のまま行くとは考えられない)
投資をしていない人にとっては普段の生活の中で税金が上がる被害を被るだけとなってしまいます。
新NISAを使って投資をしている人と、していない人では金融格差がどんどん開いていくかもしれませんね。
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