つみたてNISAで大人気のS&P500、色々な金融・投資サイトでも取り上げられています。
- S&P500最強
- とりあえず買っておけ
- 買えば必ず儲かる
このような思い込みをしている人は危険です。
『投資に必ず!』ということはなく『みんながオススメしているから安心』という考えも誤解です。
S&P500の落とし穴を3つ解説します。
- マイナスになる可能性も十分ある
- 国際分散投資の方が儲かる可能性がある
- 為替リスクに注意が必要
投資初心者向けの内容ですがS&P500に投資している人は知識として覚えておいて損は無いはずです。
自己紹介
私は正社員ではなくアルバイト生活を送っています。
低収入・ノーボーナスでも計画性を立てれば資産は築くことが出来、現在資産は850万を超えました。
2016年から始めた資産運用により資産を拡大しつつ老後への備えをしっかりやっています。
私の知識や経験が少しでも役に立てればと思いこのブログを開設しました。
S&P500とは?
S&P500とは米国の代表的な株価指数です。
代表的な大型株500銘柄を時価総額で加重平均で指数化したものです。
S&P500指数に連動するファンドに投資すればアメリカの主要企業500社へ投資しているのと同じ効果が期待できます。
落とし穴1.マイナスになる可能性も十分ある
S&P500の過去30年間のリターンは年利9.5%です。
日本株の過去30年のリターンが1.5%と考えると、もの凄いリターンを出しています。
これだけを見ると『S&P500に投資していれば儲かりそう』と思う人もたくさん居るでしょう。
しかし落とし穴が存在します。
S&P500に投資すれば必ず毎年プラスの成績になるわけではありません。
こちらの図をご覧ください

これは過去194年分の米国株の年次リターンを表したものです。
- -40%~-50%:1回
- -30%~-40%:2回
- -20%~-30%:6回
- -10%~-20%:17回
- 0%~-10%:30回
194年のうち56年(約30%)は年次リターンがマイナスの年があるという事です。
10年間投資したら3年間はマイナスの年を経験する確率があるという事です。
つまり!『S&P500に投資すれば必ず儲かる』
これは間違いです。
短期的に見ればマイナスになる可能性も当然あり得ます。
長期的に見れば過去のデータからは報われていますが、今後どうなるかは誰にも分かりません。
『投資の未来は誰にも分からない』『マイナスになる可能性も有り得る』
この2つを覚えておきましょう。
落とし穴2.国際分散投資の方が儲かる可能性がある
国際分散投資とはアメリカだけではなくアメリカ・ヨーロッパ・アジア・アフリカなど世界中に投資をする事を言います。
投資信託を選ぶ際、米国集中投資か国際分散投資か悩むところです。
近年はアメリカの一人勝ちが続いているので国際分散投資を下に見てしまいがちです。
『何でリターンの悪い日本・欧州や新興国なんかに投資しているのだろう?』
『S&P500に全力投資したほうが儲かる』
こんな風に自分自身の投資を否定してしまう人も居るのではないでしょうか?
しかしこれが落とし穴の2つ目です。
『アメリカが勝ち続ける保証はないです』
こちらの図をご覧ください

これは1974年~2018年を対象にした『米国株』VS『米国以外の国際株』でどちらが勝っていたかを表したグラフになっています。(上が米国株、下が国際株)
グラフを見ると、米国株が勝っている期間と米国以外の国際株が勝っている期間が『循環』しているのが分かりますよね?
※決して米国株の一人勝ちというわけではありません。
2010年から現在に至るまで”たまたま”米国株が勝っているだけで『今後も米国株が勝ち続けるかは誰にも分かりません』
国際分散投資のターンが訪れた時にS&P500だけに投資するのを耐えることは出来ますか?
落とし穴3.為替リスクに注意が必要
S&P500という指数の落とし穴ではなく『S&P500に連動するファンド』の落とし穴です。
これは日本に住んで円で生活している以上、避けては通れないリスクになります。
こちらのグラフをご覧ください

- 青線:S&P500指数の推移
- 緑線:為替調整後のS&P500指数の推移
まったく重なっていない事が分かりますよね?
もし1ドル100円の時にS&P500連動のファンドを買って、為替レートが1ドル80円になった場合、S&P500の値動きとは関係のない所で、いきなり-20%のダメージを受けることになります。
S&P500連動ファンドを買うということはドルベースで積み立てるという事です。
※よくある勘違い
楽天VTIなど(S&P500連動の投資信託)は円で買えますが、あれもドルに両替して買われています。売却時にはドルから円に戻してくれます。つまり円で買っているつもりでも実際はドル建ての資産ということなので為替の影響は受けます。
株式自体も価格変動しますが、そこに為替変動を加えるとかなり大きく金額が動きます。
過去10年間でも1ドル80円~120円までの変動がありました(現在は107円ほど)
1ドル80円の時にS&P500連動ファンドを購入していれば為替だけで+33.8%
1ドル120円の時にS&P500連動ファンドを購入していれば為替だけで-10.8%
無視できないほどの変動が起きます。
更にマイナスになる年も30%あることを上記で説明しました。
- -40%~-50%:1回
- -30%~-40%:2回
- -20%~-30%:6回
この時にもし円高になってしまうと資産の半分以上が消し飛びます!
投資をしている以上『暴落』は避けては通れません。
20年に一度は暴落を経験することもあるでしょう。
S&P500という指数は非常に優秀ですが、あなたが日本に住んでいる以上『為替リスク』はもれなくついてきます。
もしS&P500連動ファンドに投資していて『思ったほど利益が出ない』と感じた場合は為替の影響があるかもしれません。
まとめ
S&P500は他のあらゆる投資よりも優れた『絶対に勝てる投資方法』というわけではありません。
- マイナスになる年もある(約30%)
- 国際分散投資より優れているとは言えない(勝ち負けは循環します)
- 日本に住んでいる以上、S&P500に投資するともれなく為替リスクが付いてくる(為替だけで±20%の変動も起きる)
S&P500最強!S&P500に全力!という投資方法を選択している人は上記の事を理解した上でその投資方法を続けるか?見直すか?一度考えてみてほしいです。
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